厳しい経済環境ではじまった21世紀、皆様におかれましては資産運用に対するご関心を日増しにお感じのことと存じます。証券業を営んで120年の木村証券では、今こそ株式投資の重要性を皆様にお伝えしなくてはならないと考えております。一言に株式と申しましても、国内上場・公開企業だけでも3000社以上あり、玉石混淆のなかから見付け出すことは容易なことではございません。
「良い株式を良い顧客に持っていただきたい」という弊社の願いを込め、「三英傑シリーズ」と郷土が生んだ英雄にちなんで株式を幅広く皆様にご提供できればと存じる次第です。
三英傑の名を借りて銘柄選択の切り口を三つに分け、投資スタンスが少しでもわかりやすくなればと考えました。
-
株式投資にはタイミングが重視されます。株式相場の状況や今後の展開をふまえ、需要やテクニカルを重視しながら機会を捉えた時に原則的に選びます。
時空を超えて夢とロマンに馳せたアグレッシブ(攻撃的)な信長にちなみました。 -
投資対象を企業の成長力と位置づけ、収益価値の集約EPS(=一株当たり利益)を基準として、原則的に当数値が今後増大すると予想されるものから選びます。 日吉村の農家から太閤になった成長性にちなみました。
-
投資対象を本質価値に位置づけ、市場時勢によって過小評価されているものを本質価値の集約BPS(=一株当たり純資産)を基準として、原則的に当数値がPBR平均以下のものから選びます。徳川300年の基礎を築いた着実な安定性にちなみました。
「三英傑シリーズ」2024年11月版
信長コース | 注目ポイント |
(2331) ALSOK | 警備サービス大手。金融機関など常駐警備に強み。防災業務、介護事業も。24/4-6月期事業別売上高構成比(調整額除く)セキュリティ72.9%、ファシリティマネジメント12.0%、介護10.0%、海外5.0%。警備需要が法人、個人とも堅調に推移。値上げ効果。インバウンドやイベントが回復。若手社員対象の奨学金代理返還制度を導入。AI利用の機械警備高度化に注力。 |
---|---|
(3402) 東レ | 合成繊維大手。炭素繊維世界一。医薬、電子材料に多角化。24/4-6月期事業別売上収益構成比(その他除く)繊維38.6%、機能化成品38.1%、炭素繊維複合材料12.3%、環境エンジニアリング9.1%、ライフサイエンス1.9%。フィルムはTV、スマホ向けに伸長。海外の炭素繊維設備、国内人工皮革、フィルムに増産投資。ユニクロと機能性素材「パフテック」を共同開発。 |
(4768) (株)大塚商会 | 情報サービス大手。システム開発、保守、事務用品販売など展開。24/1-6月期事業別売上高構成比(調整額除く)システムインテグレーション66.2%、サービス&サポート33.8%。パソコン更新特需でITシステム構築支援サービス伸長。米マイクロソフトの生成AI「Copilot(コパイロット)」の活用支援に注力。セキュリティ対策や適切な指示文入力などを一括でサポート。 |
(6005) 三浦工業 | 産業小型ボイラー大手。国内高シェア。24/4-6月期事業別売上収益構成比(その他、調整額除く)国内(機器販売34.3%、メンテナンス22.6%)、海外(機器販売29.1%、メンテナンス14.0%)。M&A活用し米社買収で売上高上乗せ。独社を利用して欧州を開拓。海外事業強化し各国のシェア№1を目指す。4月ダイキンと資本業務提携。配当性向から累進配当を意識。 |
(8267) イオン | 総合小売大手。総合スーパー、不動産、金融、専門店など展開。24/3-8月期事業別営業収益構成比(その他、調整額除く)GMS33.4%、SM28.5%、DS3.9%、ヘルス&ウェルネス12.5%、総合金融4.9%、ディベロッパー4.7%、サービス・専門店7.0%、国際5.1%。消費者の節約志向を受けてPBの値下げや増量で拡販。全国の物流効率化推進。船橋に新総菜工場開設。ネットスーパー注力。 |
秀吉コース | 注目ポイント |
(3405) (株)クラレ | 高機能性樹脂、人工皮革など独自開発素材の化学大手。24/1-6月期売上高構成比(その他、調整額除く)ビニルアセテート50.6%、イソプレン9.1%、機能材料24.9%、繊維7.6%、トレーディング7.8%。ポバール樹脂、フィルム、イソプレンが順調で設備の増強を図る。歯科材料、活性炭も好調推移。汎用品の不識布は来年めどで撤退、高付加価値品の生産を集約の計画。 |
---|---|
(5233) 太平洋セメント | セメント最大手。国内シェアトップ。米国、アジアへ展開。24/4-6月期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)セメント73.8%、資源10.8%、環境7.7%、建材・建築土木7.7%。国内外で値上げが浸透。輸出が好調なうえフィリピン新生産ラインが稼働し、年300万トンの生産規模でインフラ整備などの需要を取り込み。25年4月セメント価格を再度値上げ予定。自社株買いを実施。 |
(7751) キヤノン | カメラ、複合機最大手。プリンター、半導体装置も展開。24/1-9月期事業別売上高構成比(その他及び全社、消去除く)プリンティング58.6%、メディカル12.9%、イメージング21.0%、インダストリアル7.5%。同地域別売上高構成比、国内21.4%、米州31.9%、欧州26.0%、アジア・オセアニア20.7%。半導体露光装置やデジカメの販売好調。新型レーザープリンターを発売。半導体の次世代製造装置を初出荷。 |
(8316) (株)三井住友フィナンシャルグループ | 国内3大メガバンク。三井住友銀行、SMBC日興証券、カードなど傘下。24/4-6月期事業部門別連結業務純益構成比(本社管理等除く)ホールセール31.5%、リテール12.1%、グローバル30.0%、市場26.3%。中期計画が進捗し、国内ホールセール、リテールが増益を牽引。3月のマイナス金利解除と7月利上げで約700億円の資金利益。アプリでマネーフォワードと提携。 |
(8766) 東京海上ホールディングス | 国内損保首位。傘下に東京海上日動ほか、生保子会社。海外でM&Aも。24/4-6月期事業別経常利益構成比(調整額除く)国内損害42.4%、国内生命6.5%、海外49.9%、金融その他1.2%。自動車や火災保険の料率引き上げで収支が改善。金利上昇や資産運用残高増加で金利収入や円安収益も改善模様。政策保有株売却による株主への還元強化を期待。生保に注力。 |
家康コース | 注目ポイント |
(1605) (株)INPEX | 原油・ガス開発の国内最大手。国際石油開発と帝国石油が統合。24/1-6月期事業別売上収益構成比(調整額除く)国内O&G9.1%、海外O&G(イクシスプロジェクト18.8%、その他プロジェクト70.3%)、その他1.8%。同商品別構成、原油74.9%、天然ガス23.6%、その他1.5%。原油価格と円安が利益押し上げ。太陽電池ベンチャーに出資。中部電と豪でCO2貯留検討へ。 |
---|---|
(6113) (株)アマダ | 大手金属加工機械総合メーカー。板金国内首位。24/4-6月期部門別販売高構成比、板金72.6%、微細溶接9.1%、切削研削盤13.4%、プレス4.5%、その他0.4%。海外シェア拡大注力。車載モーターやバッテリー向けレーザー溶接機器が堅調。現場と生産管理の間を連携するソフト販売に注力しアフターケアを強化。伊勢原工場を拡張し周辺機器の生産能力引き上げ。 |
(7282) 豊田合成 | トヨタ系ゴム製品、合成樹脂メーカー。エアバッグや内外装部品は海外にも。24/4-9月期地域別売上収益構成比(調整額除く)日本37.3%、米州35.9%、欧州・アフリカ3.0%、中国8.4%、アジア11.7%、インド3.7%。円安と合理化努力で4-6月期では過去最高益。光出力トップクラスの除菌用UV-C(深紫外線)LED開発、サンプル出荷へ。マイクロ波給電製品の実証実験を開始。 |
(8002) 丸紅 | 芙蓉系総合商社。食料特色。24/4-6月期事業別収益構成(その他除く)ライフスタイル2.4%、フォレストプロダクツ3.0%、情報ソリューション4.5%、食料第一11.0%、第二12.5%、アグリ29.3%、化学品7.7%、金属6.2%、エネルギー8.4%、電力4.9%、インフラプロ0.4%、航空・船舶1.9%、金融・リース・不動産0.5%、建機・産機・モビリティ7.0%、次世代0.3%。米でCO2貯留事業実施。 |
(9101) 日本郵船 | 総合海運国内首位。陸上、航空も展開。24/4-6月期事業別売上高構成比(調整額除く)定期船6.5%、航空運送6.8%、物流27.7%、自動車20.3%、ドライバルク23.9%、エネルギー6.8%、その他8.0%。自動車船の輸送需要が強含みに推移。スエズ運河回避のため船腹需給高止まりで運賃が上昇。日本貨物航空の売却時期を延期。世界初の商用アンモニア燃料船を竣工へ。 |