
厳しい経済環境ではじまった21世紀、皆様におかれましては資産運用に対するご関心を日増しにお感じのことと存じます。証券業を営んで120年の木村証券では、今こそ株式投資の重要性を皆様にお伝えしなくてはならないと考えております。一言に株式と申しましても、国内上場・公開企業だけでも3000社以上あり、玉石混淆のなかから見付け出すことは容易なことではございません。
「良い株式を良い顧客に持っていただきたい」という弊社の願いを込め、「三英傑シリーズ」と郷土が生んだ英雄にちなんで株式を幅広く皆様にご提供できればと存じる次第です。
三英傑の名を借りて銘柄選択の切り口を三つに分け、投資スタンスが少しでもわかりやすくなればと考えました。
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株式投資にはタイミングが重視されます。株式相場の状況や今後の展開をふまえ、需要やテクニカルを重視しながら機会を捉えた時に原則的に選びます。
時空を超えて夢とロマンに馳せたアグレッシブ(攻撃的)な信長にちなみました。 -
投資対象を企業の成長力と位置づけ、収益価値の集約EPS(=一株当たり利益)を基準として、原則的に当数値が今後増大すると予想されるものから選びます。 日吉村の農家から太閤になった成長性にちなみました。
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投資対象を本質価値に位置づけ、市場時勢によって過小評価されているものを本質価値の集約BPS(=一株当たり純資産)を基準として、原則的に当数値がPBR平均以下のものから選びます。徳川300年の基礎を築いた着実な安定性にちなみました。
「三英傑シリーズ」2025年3月版
信長コース | 注目ポイント |
(3778) さくらインターネット | 独立系データセンター大手。クラウドサービスが柱。官公庁向け実績。24/4-12月期サービスカテゴリー別売上高構成比、クラウド(インフラストラクチャー33.4%、アプリケーション15.0%)、GPUクラウドサービス17.5%、物理基盤サービス13.1%、その他21.0%。昨年1月より生成AI向けGPUクラウドサービス提供。エヌビディアGPUの追加投資が貢献。 |
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(4912) ライオン | 家庭用品大手。歯磨き柱に薬品、機能性食品へ展開。24/12月期分野別売上高構成比、オーラルケア29.3%、ビューティケア9.4%、ファブリックケア21.8%、リビングケア8.2%、薬品9.6%、その他21.7%。オーラルケア事業が成長持続。今期は販促費効率化やSKU(商品の最小管理単位)削減めざす。マレーシアは洗濯用洗剤、中国はオーラル販売が全体をけん引。 |
(6315) TOWA | 半導体後工程用製造装置大手。精密金型製作に特色。24/4-12月期事業別売上高構成比、半導体製造装置92.0%、ファインプラスチック成形品4.4%、レーザ加工装置3.6%。中国企業の半導体内製化や台湾、韓国、その他アジア向けに売上が増加。⽣成AI関連向けや開発用途向けにコンプレッション装置が堅調、受注割合増加傾向。インドに販社設立し需要取り込み。 |
(8060) キヤノンマーケティングジャパン | キヤノン製コピー、カメラの販売とSI、データセンターを兼営。24/12月期事業別売上高構成比(調整額除く)コンスーマ21.0%、エンタープライズ34.9%、エリア33.6%、プロフェッショナル6.6%、その他3.9%。ITソリューションが金融、製造業向けに好調推移。文教向けPCの大型案件とTCS社の連結化で売上高が大幅増。ヘルスケアも大型案件獲得し増加。 |
(8919) (株)カチタス | 地方圏主体に戸建て再生事業を全国展開。カチタス人口5万~30万人、平均築年数30年、リプライス同30万〜50万人、同平均20年を中心にビジネスを展開。24/3平均販売価格1,643万円。年平均1万件超の供給をめざす。24/4-12月期販売件数5,526件。同仕入件数6,365件。17年ニトリHDと資本業務提携。同社の家具付き住宅を販売開始。配当性向40%以上方針。 |
秀吉コース | 注目ポイント |
(2503) キリンホールディングス | ビール大手。発泡酒で首位。医薬品も。傘下に協和キリン。24/12月期事業別売上収益構成比(調整額除く)酒類36.6%、飲料8.7%、医薬27.2%、ヘルスサイエンス17.0%、その他10.5%。同地域別、日本51.9%、オセアニア10.0%、アメリカ27.0%、その他11.1%。海外展開を加速。北米の飲料や健康関連好調。今期ファンケルを完全子会社化。配当方針を累進配当に変更。 |
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(5110) 住友ゴム工業 | タイヤ世界大手。ダンロップ、ファルケンが中心、グッドイヤーとは提携解消。24年12月期事業別売上収益構成比(調整額除く)タイヤ86.3%、スポーツ10.4%、産業品他3.3%。同地域別、日本28.4%、北米23.6%、欧州17.6%、アジア16.5%、その他13.9%。北米で新興企業と進める車両の故障予知技術を今年から事業化へ。シリコンバレーに拠点を開設し営業強化。 |
(6902) (株)デンソー | 自動車部品国内トップ世界大手。カーエアコン強い。半導体内製化めざす。24/4-12月期地域別売上収益構成比(その他、消去又は全社除く)日本48.1%、北米21.1%、欧州8.3%、アジア22.5%。トヨタグループ向け54.9%。 ⾞両⽣産が減少するも電動⾞両の増加で電動化関連の売上が増加。中国生産拠点の再編やコスト削減、政策保有株の見直しなど資本効率改善へ。 |
(8411) (株)みずほフィナンシャルグループ | 国内3大メガバンク。24/4-12月期カンパニー別業務純益構成比(その他除く)リテール・事業法人9.0%、コーポレート&インベストメントバンキング30.7%、グローバルコーポレート&インベストメントBC32.4%、グローバルマーケッツ26.5%、アセットマネジメント1.3%。⾦利引き上げの追い風が続く。0.25%利上げで年約1,200億円増益要因に。海外も好調。 |
(8766) 東京海上ホールディングス | 国内損保首位。傘下に東京海上日動ほか、生保子会社。海外M&Aで拡大中。24/4-12月期事業別経常利益構成比(調整額除く)国内損害46.7%、国内生命5.3%、海外46.8%、金融・その他1.2%。保険料率引き上げで収支が改善。政策保有株の売却加速(12月末現在約7,810億円)。金利上昇や運用残高増で金利収入や円安収益が改善。LA山火事の影響は310億円程度。 |
家康コース | 注目ポイント |
(4114) (株)日本触媒 | アクリル酸、高吸水性樹脂で世界有数。電池電解質、化粧品材料も。24/4-12月期事業別売上収益構成比、マテリアルズ(アクリル酸・高吸水性樹脂54.2%、ベーシックマテリアルズ他17.7%)、ソリューションズ(インダストリアル・ハウスホールド21.1%、エナジー・エレクトロニクス他7.0%)。ソリューションズ回復し数量増。化学品製造工程の自動運転化に成功。 |
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(4502) 武田薬品工業 | 国内製薬首位。がん、中枢神経、消化器等重点。24/4-12月期地域別売上収益構成比、日本9.2%、米国52.2%、欧州およびカナダ22.5%、アジア(日本除く)5.9%、中南米5.4%、ロシア・CIS1.8%、その他3.0%。成長製品と新製品で売上収益の約47%を占める。米で潰瘍性大腸炎向け消化器系薬「エンティビオ」の拡大続く。2,850万株約1,000億円の自社株買いを発表。 |
(5201) AGC | ガラス世界大手。自動車、液晶用はトップレベル。24/12月期事業別売上高構成比(調整額除く)建築ガラス20.7%、オートモーティブ23.6%、電子17.2%、化学品28.1%、ライフサイエンス6.7%、セラミックス・その他3.7%。収益改善策が進展。北米オートモーティブの問題解消と価格政策や事業構造を見直す。電子材料注力し28年めどで新ガラス基板量産を計画。 |
(7267) ホンダ | 二輪世界首位。40年に全社電動化目標。24/4-12月期事業別売上収益構成比(消去又は全社除く)二輪16.3%、四輪65.8%、金融サービス16.1%、パワープロダクツ及びその他1.8%。上限1兆1,000億円の自社株買い継続(1月末現在1,849億円)。メキシコ、カナダへの25%関税発動の場合、今年度約200億円強の影響予想。日産自との経営統合は破談後に再度協議へ。 |
(9107) 川崎汽船 | 海運大手一角。自動車運搬船やばら積み船強い。24/4-12月期事業別売上高構成比(調整額除く)ドライバルク29.3%、エネルギー資源8.9%、製品物流54.4%、その他7.4%。コンテナ船運賃上昇で持ち分法投資利益が増加。自動車船事業の損益改善。二酸化炭素削減効果が期待できるバイオ燃料使用の試験運航を実施。PER改善とPBR1.0倍以上への向上を目指す。 |