キムラレポート (2016年9月版)

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展望

高度安心移動社会を目指す

　環境、安心・安全の分野で強みを持つ世界２位の自動車部品メーカー。２０１６年３月期の得意先別連結売上高構成比、トヨタグループ45.3％（内訳、トヨタ自動車42.2％、ダイハツ1.9％、日野自動車1.2％）、トヨタグループ外（ＯＥＭ）44.2％（内訳、ホンダ7.9％、フィアット＆クライスラー4.9％、フォード3.4％、ＧＭ3.3％、現代＆起亜3.3％、マツダ2.5％、スズキ2.2％、ＶＷ＆ＡＵＤＩ1.8％、富士重工1.8％、日産自動車1.7％、いすゞ1.2％、三菱自動車1.1％、ＢＭＷ1.0％など）、市販＆新事業他10.5％。

　同期の製品別売上高構成比は自動車分野98.6％（内訳、パワトレイン35.8％、熱31.2％、情報安全15.2％、電子8.2％、モータ6.8％、その他1.4％）、新事業分野1.4％。

　製品分野別の主な製品は、「パワトレイン」、ガソリン・ディーゼルエンジンの制御システム関連、ハイブリッド車・電気自動車用製品、駆動系製品、電源供給・始動システム製品。「電子」、エンジン制御コンピュータ、トランスミッション制御コンピュータ、各種半導体センサ。「熱」、カーエアコンシステム、空気清浄機などの空調関係製品、ラジエータなどの冷却用製品。

　「情報安全」、ミリ波レーダ・画像センサ・走行支援ＥＣＵなどの走行安全関係製品、ＥＴＣなどのＩＴＳ（高度道路交通システム）製品、カーナビゲーションシステム。「モータ」、ワイパ、パワーステアリング、エンジン制御向け。「産業機器」、ＩＣカードなどの自動認識関連機器、産業用ロボットなどのＦＡ機器。「生活関連機器」、自然冷媒（ＣＯ２）ヒートポンプ式給湯器。

　今年５月発表の官民ＩＴＳ構想・ロードマップ２０１６（20年までの高速道路での自動走行及び限定地域での無人走行移動サービスの実現に向けて）によれば第１段階（実用化済み）でアクセル・ブレーキ・ハンドル操作のいずれかをシステムで行う。第２段階（一部実用化）は複数の操作をシステムが行う。全ての操作をシステムが行う第３段階（緊急時・運転者対応）は20年めど、第４段階の完全な自動運転（無人運転）は25年をめどにしている。自動運転に不可欠なミリ波レーダ(電波を利用し、対象物認識)、画像センサ(高い識別性能保有)で優位性を持つ同社に注目したい。


（北川　彰男）