アイカ工業 (2025年2月版)
本社所在地 | 〒450-6326 名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋 |
---|---|
設立 | 1936年10月22日 |
ホームページ | https://www.aica.co.jp/ |
2024年3月期
資本金(連結) | 9,891百万円 |
---|---|
自己資本比率 | 58.89% |
従業員数(連結) | 5,058人 |
連結事業構成 | 【連結事業】化成品55(7)、建装建材45(19)【海外】48(2024.3) |
株式上場 | 東証プライム,名証プレミア |
株価 | 一株益(連) | PER(連) | 一株純資産 | PBR(連) | 一株配当 | 配当利回 | 年初来高値 | 年初来安値 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1/31終値 | 25/3期(予) | 予想 | (連)24/3期 | 実績 | 25/3期(予) | 予想 | ||
3,244 | 258.1 | 12.6 | 2,529 | 1.28 | 122.0 | 3.76% | 3,820 | 3,162 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2025年1月31日時点の会社予想。
展望
- 化学とデザインのシナジー
- 名古屋市に本社を置く同社は、メラミン化粧板国内トップの化成品メーカー。1936年愛知時計電機の化学部門が接着剤などの量産化を目的に設立。39年国内初のユリア樹脂接着剤を発売し、49年名証に上場。60年代の高度成長期にはメラミン化粧板で業績を拡大、66年現社名に変更した。化成品、化粧板、住器建材分野中心に製品や技術開発を進め、創立50周年の86年には東証・名証一部に上場。その後も多層プリント配線板など新規事業にも取り組み、海外進出や多角化を推進しながら、国内市場の動向に左右されない体質づくりとグローバル化を目指す。
2024年4-12月期の事業別売上高構成比(調整額除く)は、化成品56.9%、建装建材43.1%。化成品の内訳は、接着剤68.8%、建設樹脂7.8%、機能材料13.2%、その他10.2%。建装建材は、メラミン化粧板31.8%、ボード・フィルム等11.6%、セラール21.7%、不燃建材6.9%、住器建材28.0%であった。海外売上比率は、化成品71.5%、建装建材18.4%で、全体では48.3%となる。同期の化成品は、内外とも接着剤が好調で、建設樹脂系や機能材料の電子材料用・自動車用のUV硬化型樹脂などが好調に推移、前年を上回った。建装建材も、店舗やオフィスなど非住宅市場での需要を獲得し、メラミン化粧板は国内No.1のブランド力を活かして同様に前年を上回った。
同社は、収益性の改善、成長事業の創出・育成、健全な経営基盤の構築を基本方針として、3年後に連結売上高3,000億円(化成品1,700億円、建装建材1,300億円)、経常利益300億円をめざしている。収益性の改善は、主に国内化成品と海外事業を中心に実施、国内建装建材は現状を維持しつつ規模拡大をめざす。化成品は、樹脂別の採算管理を徹底しながら、ベトナムやタイなど海外の製造能力を拡大・増強し、未開拓市場への進出・育成に注力、付加価値の高い商品の投入を図る。成長事業の創出・育成は、化成品で培った接着・接合技術を応用して、自動車などの非建設分野の拡大とグループ会社間のシナジー効果創出を、建装建材では市場ニーズに即したポートフォリオによって拡大をめざす。経営基盤の構築は、以前からの課題を引き継ぐ形で気候変動や人的資本経営に注力する。財務面では、前出の目標以外に、海外売上高50%以上、ROE10%、減配をしない累進配当を掲げる。
化学とデザイン融合のシナジーで、世界をめざす同社の今後に注目したい。
(戸谷慈伸)