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イビデン (2025年1月版)

【4062】イビデン

 

本社所在地 〒503-8604 岐阜県大垣市神田町2-1
設立 1912年11月25日
ホームページ https://www.ibiden.co.jp

2024年3月期

資本金(連結) 64,152百万円
自己資本比率 43.80%
従業員数(連結) 11,577人
連結事業構成 【連結事業】電子52(14)、セラミック26(14)、他22(7)【海外】75(2024.3)
株式上場 東証プライム,名証プレミア
株価 一株益(連) PER(連) 一株純資産 PBR(連) 一株配当 配当利回 年初来高値 年初来安値
12/30終値 25/3期(予) 予想 (連)24/3期 実績 25/3期(予) 予想
4,775 171.8 27.8 3,543 1.35 40.0 0.84% 8,359 4,001

※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2024年12月30日時点の会社予想。

 

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展望

世界を支える技術開発型企業
 大垣市に本社を置く同社は、電子とセラミックが中心の技術開発型企業。1912年水力発電を祖業にカーボン事業を開始、戦後にメラミン化粧板、オイルショックの機会に電子分野に進出し、90年代にはPCや携帯電話の普及を追い風に電子部品事業を拡大した。2000年代にはSiC(シリコンカーバイド)製DPFを実用化、多くの自動車メーカーに採用された。現在は、半導体パッケージ基板工場の増設やEVバッテリー用安全部材の量産、出荷を中心に次の成長を目指す。

 24年4-9月期の事業別売上高構成比は、電子54.1%、セラミック23.7%、その他22.2%。電子事業は、PCや汎用サーバー向けICパッケージ基板の需要減少のなか、生成AI用サーバー向けが堅調に推移。セラミック事業は、DPFや触媒担体保持・シール材(AFP)が中国経済の減速により売上減少したものの、価格転嫁や円安を背景に増益を確保。その他建材部門も、昨年度の買収効果で増収増益となり、ヘルスケア事業も好調に推移した。

 電子事業の中核であるICパッケージ基板は、ICチップと一体で機能する重要部品で、PCやデータセンター向けMPU、AIや車載向けGPU(画像処理)などの半導体に使用されており、独自のアライメント技術と最先端のレーザー加工技術や、めっき技術によりトップクラスの超微細配線を実現する。

 セラミック事業のDPFは、ディーゼルエンジン搭載自動車が排出する黒煙を捕集する部品で、高強度・高耐熱性の特長を生かした再結晶SiCで捕集性能を高め、低燃費に貢献する。またAFPは、触媒担体や排気ガス浄化フィルターを保持する部品で、高温断熱ウールは、セラミック繊維の軽量かつ柔軟性に富む断熱、耐熱材で、エネルギー関連施設の熱処理をはじめ、燃焼機器の高温部断熱材として使用される。その他では、あらゆる分野で使用される内装用化粧板の製造販売の建材と、のり面と造園の技術を融合した特色ある建設事業を展開している。

 同社は中期の経営計画の重点項目として、電子事業の旗艦となる25年半ば稼働予定の大野工場と、操業開始を待つ河間工場による業績への寄与や、セラミック事業の中国、インド市場への進出、SiCパワー半導体向け特殊炭素製品の成長市場への対応など、をポイントとして挙げる。また、新しい柱の育成として、EVバッテリー用安全部材を重点に置く。

先を見据えた成長投資で、さらなる飛躍を目指す同社に注目したい。

(戸谷慈伸)

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