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ブラザー工業 (2024年4月版)
2023年3月期
資本金(連結) |
19,209百万円 |
自己資本比率 |
70.15% |
従業員数(連結) |
41,653人 |
連結事業構成 |
【連結事業】プリンティング等61(7)、マシナリー12(10)、ドミノ12(6)、ニッセイ3(8)、パーソナル&ホーム6(11)、他6(1)【海外】86(2023.3) |
株式上場 |
東証プライム,名証プレミア |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
3/29終値 |
24/3期(予) |
予想 |
(連)23/3 |
実績 |
24/3期(予) |
予想 |
|
|
2,821.5 |
195.3 |
14.4 |
2,334 |
1.21 |
68.0 |
2.41% |
2,883.5 |
1,881 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2024年3月29日時点の会社予想
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展望
- 独自技術で価値を創造
- 名古屋市が本社の同社は、1908年ミシンの修理で創業した独自技術とグローバルネットワークが特色のメーカー。34年日本ミシン製造を設立、終戦後まもなく輸出を開始して編機はじめタイプライターなどの各種製品を展開した。70年代には電子制御に取り組み、レーザープリンターを開発、情報通信機器に進出し、90年代にはFAXや小型複合機を開発、通信カラオケ事業にも進出した。2000年代以降、海外展開を本格化して複数拠点体制を確立、新規顧客開拓とM&Aを推進する。
23/4-12月期事業別売上収益構成比(その他、調整額除く)は、プリンティング・アンド・ソリューションズ(以下P&S)63.5%、マシナリー9.6%、ドミノ13.3%、ニッセイ2.6%、パーソナル・アンド・ホーム、6.3%、ネットワーク・アンド・コンテンツ4.7%。10-12月期は、P&S製品の販売減やマシナリーの中国・アジア市況が低迷する中、消耗品の売上増と物流コスト減、為替差益により大幅増益となった。
P&Sは、コンパクトが特色のプリンター・複合機を家庭用から業務用まで幅広いラインアップを持っており、消耗品回収などで環境に配慮した製品づくりをめざす。マシナリーでは、自動車やIT機器向け工作機械に加え、工業用ミシン、衣料品印刷プリンターなど、様々な自社製品を提供する。ドミノは、食料品や医薬品包装品に期限やロット番号を印字するマーキング機器や、商品の多種少量化や短納期化に応えるデジタル印刷機を提供する。子会社のニッセイでは、ギアモータ、産業用ロボットやFA機器の高剛性減速機や歯車を製造し、自動化・省人化ニーズに対応する。パーソナル・アンド・ホームは、家庭用ミシンやカッティングマシンを、ネットワーク・アンド・コンテンツは、業務用通信カラオケの開発・提供と配信技術を活用したサービスや製品・コンテンツを提供する。
同社の工業用ミシンは、アパレル向け中心だったが、開拓余地の大きい自動車関連に注力している。19年頃よりシステムの特長を生かし、エアバッグ縫製向けの提案を強化、カーテンエアバッグの装着拡大から自社製品の特長を生かし、内外のエアバッグメーカーへの納入が増加、5年以内の売上げ倍増をめざしている。また、業務用プリンターのローランドDG社に買収提案し、規模の拡大を目指す。
多様な独自技術とグローバルネットワークで、価値の創造をめざす同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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