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新東工業 (2024年3月版)
2023年3月期
資本金(連結) |
7,316百万円 |
自己資本比率 |
53.37% |
従業員数(連結) |
3,982人 |
連結事業構成 |
【連結事業】表面処理43(6)、鋳造34(0)、環境10(7)、搬送6(8)、特機7(-7)、他0(5)【海外】47(2023.3) |
株式上場 |
東証プライム,名証プレミア |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
2/29終値 |
24/3期(予) |
予想 |
(連)23/3 |
実績 |
24/3期(予) |
予想 |
|
|
1,158 |
80.2 |
14.4 |
2,020 |
0.57 |
40.0 |
3.45% |
1,215 |
645 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2024年2月29日時点の会社予想
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展望
- ものづくりを支えるものづくり
- 名古屋市に本社を置く同社は、世界トップの鋳造設備メーカー。鋳造とは、最古の金属加工技術で、溶かした金属を型に流して製品を作る方法で、その製品を鋳物と呼ぶ。自動車、工作機械、建設機械部品の多くが鋳物でできており、同社は1934年設立以来、鋳造事業を軸に事業展開する。また、自動車の燃費や航空機の耐久性向上効果をもつ表面処理技術でも、世界をリードする。
2023/4-12月期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)は、表面処理40.5%、鋳造34.6%、環境9.8%、搬送7.8%、特機7.3%。地域別では、日本55.0%、中国7.4%、アジア11.4%、北アメリカ9.8%、ヨーロッパ9.2%、南アメリカ7.2%であった。同期は主要顧客の自動車業界向けに、EV化による二次電池向け設備や生産設備向け需要が堅調で、原価低減効果も含め、営業利益は前期比3倍となった。表面処理では、建築や製鋼分野等の機械装置が、鋳造は大型案件の進捗が順調であった。
表面処理は、製品強度の向上や微細な表面加工で小型軽量化や生産効率を高めることに貢献する。同社は、業界で唯一、装置、投射材・研磨材などトータルでサポートを行う。
鋳造では、常に鋳物に高付加価値を与える技術を追求し、現在は、IT化と薄肉軽量化の実現を中心に、不良品ゼロに向けた取組みや作業者と環境に優しい鋳物づくりを目指す。
環境では、集塵、排気ガス除去装置など、働く人の安全や健康を守る空間づくりを、特機では、メカトロニクスやセンサ、介護機器など、搬送は、子会社でシザーリフト、コンベア、システムなどを製造する。
主に自動車、航空機、鉄鋼、造船業界向け中心から、一次産業でも同社の技術を活用した設備需要や、次世代エネルギー分野の案件が増加するなど、すそ野は拡大している。さらに、労働力や作業負荷への対応といった社会課題の解決を目指し、自動化に関する製品開発も進めており、現在、同社製品「6軸力覚センサ」は、取り付けることでロボットに力の感覚を持たせることが可能となる。すでに国内主要ロボットメーカーで標準、またはオプション採用されている。さらに、昨年、表面処理製品を手掛ける仏企業の子会社化を発表し、5月ごろには手続きを終了、欧州を起点にインドや中国などでの取引先拡大を目指す。
事業領域の拡大と、モノづくりを支えて成長を目指す同社の今後に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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