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日本ガイシ (2023年10月版)
2023年3月期
資本金(連結) |
69,955百万円 |
自己資本比率 |
61.74% |
従業員数(連結) |
20,005人 |
連結事業構成 |
【連結事業】エンバイロメント57(16)、デジタルソサエティ29(11)、エネルギー&インダストリー13(-2)【海外】77(2023.3) |
株式上場 |
東証プライム,名証プレミア |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
9/29終値 |
24/3期(予) |
予想 |
(連)23/3 |
実績 |
24/3期(予) |
予想 |
|
|
1,982 |
125.7 |
15.8 |
2,075 |
0.96 |
50.0 |
2.52% |
2,049 |
1,642 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2023年9月29日時点の会社予想
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展望
- 独自技術で次なる成長へ
- 名古屋市に本社を置く同社は、電力、各産業、特殊金属関連向けメーカー。1919年日本陶器(現ノリタケカンパニーリミテド)のガイシ部門が分離し設立。ガイシを皮切りに、ナンバーワン、オンリーワンの製品を強みとして成長し、22年3月期の海外生産拠点19社、海外売上高は7割を超える。
23年4-6月期事業別売上高構成比は、エンバイロメント63.4%(自動車排ガス浄化用部品50.7%、センサー12.7%)、デジタルソサエティ23.7%(半導体製造装置用製品14.8%、電子部品4.2%、金属4.7%)、エネルギー&インダストリー12.9%(エナジーストレージ0.3%、がいし8.3%、産業機器関連4.3%)であった。
エンバイロメントは、自動車関連で世界トップの排ガス浄化⽤触媒担体や⾞載用⾼精度NOxセンサー、PM除去のDPFなどの製品を主力とする。デジタルソサエティは、半導体製造装置製品向けのプロセス用セラミック部品をはじめ、透光性アルミナやHD用圧電アクチュエーター、セラミックパッケージ、SAWフィルター⽤複合ウエハー、チップ型セラミックス二次電池など、多数の電子デバイス製品と、ベリリウム銅を主とした金属事業で構成される。エネルギー&インダストリーは、電力貯蔵システムNAS 電池を中心としたエナジーストレージと、ガイシ関連製品、原子力施設が採用する低レベル放射性廃棄物処理装置などの産業プロセス事業である。
独自製品で持続的成長をめざす同社は、⾃動⾞の排ガス浄化、再⽣可能エネルギー普及への貢献、放射性廃棄物の安全処理など、21年度時点で環境貢献製品が売上高の59%を占める。昨年には事業全体を見直し、カーボンニュートラルとデジタル社会関連の事業領域を注力分野と位置付けた。新たにカーボンニュートラル向けには、Co2分離膜や亜鉛二次電池、デジタル社会向けには超小型薄型電池や高機能複合ウエハーを投入、2030年の新事業化製品の売上高で1,000億円以上を目標とする。3事業本部体制へと組織もシンプル化し、電子部品や半導体領域の連携による相乗効果を目指す。同時に、研究開発から製品化へのスピードを早めるため、推進本部を新設した。先月には、同社のNAS電池を送電網に直接接続した蓄電所の運営を、新興企業と24年度運転開始予定で合意した。
カーボンニュートラルとデジタル社会への貢献で、次なる成長をめざす同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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