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マキタ (2023年7月版)
2023年3月期
資本金(連結) |
23,805百万円 |
自己資本比率 |
69.97% |
従業員数(連結) |
18,804人 |
連結事業構成 |
【連結事業】製品80、部品・修理・アクセサリー20【海外】84(2023.3) |
株式上場 |
東証プライム,名証プレミア |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
6/30終値 |
24/3期(予) |
予想 |
(連)23/3 |
実績 |
24/3期(予) |
予想 |
|
|
4,036 |
122.6 |
32.9 |
2,833 |
1.42 |
― |
― |
4,168 |
3,025 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2023年6月30日時点の会社予想。
※予想1株配当金は未発表により非表示。
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展望
- 充電製品総合サプライヤーをめざす
- 安城市が本社の同社は、国内1位、世界トップクラスの電動工具メーカーである。1915年創業、58年国産初の携帯用電気カンナを発売し電動工具メーカーに転換、着実に事業を拡大し、62年名証、68年東証2部に上場、70年にそれぞれ1部に替わった。同社は現在、世界約50ヵ国に直営拠点を設け、世界約180ヵ国で販売する。また中国をはじめ、アメリカ、イギリス、ドイツなど8カ国で電動工具を生産、台数ベースの約9割が海外生産で、海外売上収益比率は84%を誇る。
2023年3月期の地域別売上収益構成比は、国内16.1%、欧州45.6%、北米15.6%、アジア7.0%、中南米6.2%、オセアニア7.7%、中近東・アフリカ1.9%であった。巣ごもり需要の落ち着きや、欧州・北米販売が低調だったものの、新製品の投入効果や円安により、売上収益は過去最高を更新した。
同社は現在、電動工具のみではなく園芸用をはじめ、清掃用、アウトドア製品を含めた充電製品の総合サプライヤーをめざしている。05年に業界で先駆け、リチウムイオンバッテリをインパクトドライバーに採用した。業界をリードするバッテリ充放電技術や、モータ技術を活かした製品開発によって、同一バッテリで使用できるアイテムを増やし、ユーザーの拡大を図るなど、コードレス製品のラインアップでは業界随一を誇っている。
充電式工具は、使用時に燃料を必要としないため始動時の手間を省き、排ガスゼロで低騒音であるとともに、エンジン式に劣らぬパワーを実現する。昨年3月末には、エンジン製品の生産を終了するとともに、電動工具に続く柱として、充電式の園芸用機器(OPE)の開発に注力する。同時に、環境の改善や身体への負担軽減に取り組みながら、軽量化で、女性や年配の方にも扱いやすい製品づくりを心がけ、ユーザーの拡大をはかる。注力するOPE以外にも、ビルメンテナンスの清掃製品や、アウトドア、キャンプ、防災関係など新たなジャンルでの成長にも期待を寄せている。
このたび同社は、株主に対して利益配分の基本⽅針を変更し、年間配当⾦の下限を設け、総還元性向を35%以上に引き上げた。同時に、発⾏済株式総数(⾃⼰株式を除く)の1.14%、上限3,100千株、総額100億円の自社株買いを8月31日まで実施している。
電動工具を柱に、充電製品の総合サプライヤーをめざす同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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