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(株)ジェイテクト (2023年6月版)
2023年3月期
資本金(連結) |
45,591百万円 |
自己資本比率 |
46.29% |
従業員数(連結) |
46,468人 |
連結事業構成 |
【連結事業】自動車68(2)、産機・軸受22(5)、工作機械11(6)【海外】59(2022.3) |
株式上場 |
東証プライム,名証プレミア |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
5/31終値 |
24/3期(予) |
予想 |
(連)23/3 |
実績 |
24/3期(予) |
予想 |
|
|
1,162 |
102.1 |
11.4 |
1,945 |
0.60 |
32.0 |
2.75% |
1,224 |
873 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2023年5月31日時点の会社予想。
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展望
- ステアリング世界NO.1
- 刈谷市が本社の同社は、自動車部品のステアリングや駆動装置をはじめ、軸受、工作機械等を製造・販売するトヨタ系メーカー。1921年創業の光洋精工と、41年トヨタの工機部門から独立した豊田工機が2006年合併し発足、世界約30カ国に展開する。
2023年3月期の事業別売上収益構成比は、自動車68.1%(ステアリング48.0%、駆動20.0%)、産機・軸受20.9%、工作機械11.0%で、トヨタグループ向けは35.6%であった。同所在地別は、日本38.0%、欧州11.7%、北米23.9%、豪亜13.6%、中国10.8%、その他2.0%。当期は為替の影響や、得意先の車両生産回復や原価低減活動が奏功し、各事業とも2ケタの増収となった。軸受(ベアリング)は採算重視にラインアップを見直し、生産ラインの自動化を実施、工作機械は土台部品を共通化するなどの原価低減が奏効、円安効果と同規模の収益効果を上げた。
自動車部品の中心である電動パワーステアリングは、1988年世界で初めて開発され、油圧式に比べ燃費や搭載性に優れており現在も世界シェアNo.1を誇る。タイヤに駆動力を伝達するドライブラインは、軸受と油圧・電子制御の技術を中心にシェアNO.1の商品も数多く保有する。軸受は、さまざまな品種をラインアップで幅広く提供、特定用途向けの軸受にも提供する。工作機械は、研削盤やマニシングセンタの提供をはじめ、製造ラインの効率化にまで対応。そのほか、自動車部品にとどまらずPLC(プログラマブルコントローラ)、装置、工具、油圧機器など、多様な製品を提供する。同社にとっても中期的成長のカギは、他社同様に電気自動車(EV)向け製品である。なかでも、同社はEVで重要な駆動モジュールであるイーアクスルを構成する主要部品に注力、独自開発の小型化デファレンシャルギアや軸受を戦略製品に位置づけている。
同社は現在、第一期中期経営計画の体質強化最終年度として、「人づくり、仕組みづくり」、「経営基盤強化」、「競争力強化」、「将来への種まき」の4つをキーワードに取り組む。「経営基盤強化」では、23年度損益分岐点売上比率を19年度比80%、事業利益1,000億円を目標に掲げ、事業再編やグローバルでの関係会社の適正化など、固定費削減を進めている。
ブランドを統一し、真のOneジェイテクトとして価値ある製品・サービスの提供をめざす同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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