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東海旅客鉄道 (2022年8月版)
2022年3月期
資本金(連結) |
112,000百万円 |
自己資本比率 |
37.71% |
従業員数(連結) |
30,323人 |
連結事業構成 |
【連結事業】運輸76(-1)、流通10(-4)、不動産4(21)、ホテル・サービス3(-22)、鉄道車両等製造5(6)、他1(3)(2022.3) |
株式上場 |
|
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
7/29終値 |
23/3期(予) |
予想 |
(連)22/3 |
実績 |
23/3期(予) |
予想 |
|
|
15,580 |
741.9 |
21.0 |
18,110 |
0.86 |
130.0 |
0.83% |
17,110 |
14,525 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は2022年7月29日時点の会社予想。
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展望
- 日本の大動脈を担う
- 同社は、1987年国鉄分割民営化に伴い、東京〜名古屋〜大阪間の旅客輸送事業を承継し誕生した。92年のぞみの営業運転やホテル・百貨店事業を開始、97年リニアの走行試験とともに、東証および名証一部に上場した。99年セントラルタワーズを竣工、翌年、ジェイアール名古屋タカシマヤと名古屋マリオットアソシアホテルを開業し、2003年には品川駅開業とのぞみ中心のダイヤ改正により、輸送力を引き上げた。
令和4年4-6月期の事業別売上高構成比(調整額除く)は、運輸71.5%、流通9.0%、不動産5.2%、その他(ホテル・サービス、鉄道車両等製造、建設等含む)14.3%。うち、運輸収入構成比は、新幹線91.4%、在来線8.6%であった。運輸は、東海道新幹線及び在来線、バス。流通は、セントラルタワーズの百貨店と車内・駅構内の物品販売等。不動産は、駅ビル等不動産賃貸・分譲。その他は、主要駅でのホテル・旅行、広告、車両製造及び建設である。
同社の柱である東海道新幹線は、日本の面積の23.7%、人口の61.0%、県別総生産(名目GDPベース)の65.5%を占めるマーケットエリアを、真似のできない輸送力でカバーする。現在、東京~大阪間の所要時間は最短2時間21分まで短縮され、利用客の多い時間帯にはのぞみ運行を1時間当たり12本の走行を可能にした。
同社は現在、ビジネスにおけるテレワークやWeb会議、旅行予約のネットへの移行、コロナ禍後も続くことを前提とした経営の再強化に取り組む。そのひとつが業務改革で、横断的にグループ総力を結集、効率的な仕事の進め方を追求する。状態監視機能を拡充し、検査の省力化や、車両の置換・検査周期の延伸を図る。また、更新投資等の縮小や、AIの画像認識技術による検査の省力化を進め、効率的な業務体制構築をめざす。今後10~15年をめどに、新幹線・在来線コストの約1割に当たる約800億円の削減を目指す。
収益面では、新幹線のビジネス環境への対応を進める。またホテル、旅先の交通手段、観光プランなど、旅行全体を会員限定サイトによるサービスを来夏にも開始する。グループ事業でも鉄道に依存しない収益力強化を考え、国内最大級の高級時計売場を出店した。
変化を受け止め、将来にわたり社会インフラとしての使命を果たすことを目指す同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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