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太平洋工業 (2022年7月版)
2022年3月期
資本金(連結) |
7,316百万円 |
自己資本比率 |
52.8% |
従業員数(連結) |
4,763人 |
連結事業構成 |
【連結事業】プレス・樹脂製品70(4)、バルブ製品30(12)、他0(-5)【海外】58(2022.3) |
株式上場 |
|
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
6/30終値 |
23/3期(予) |
予想 |
(連)22/3 |
実績 |
23/3期(予) |
予想 |
|
|
1,049 |
165.1 |
6.4 |
2,138 |
0.49 |
42.0 |
4.00% |
1,288 |
833 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は2022年6月30日時点の会社予想。
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展望
- タイヤバルブでトップシェア
- 岐阜県大垣市に本社を置く同社は、自動車部品を輸入に頼る時代の1930年に自動車用バルブコアの国産化を目指し設立された。実用新案取得とともに市場を獲得、現在は、タイヤバルブの国内シェア100%、海外50%を占めている。戦後の激動期を乗り越え、自動車プレス・樹脂製品、電子・制御機器製品と事業を拡大し、70年東証・名証1部に上場した。80年代に入り、高機能バルブのTPMS (タイヤ空気圧監視システム)開発とともに海外へ進出、海外生産体制を強化し、現在、7か国13社と国内8工場を展開する。
2022年3月期の事業別売上高構成比(その他、調整額除く)は、プレス・樹脂製品69.6%、バルブ製品30.4%、地域別では日本41.8%、欧米37.3%、アジア20.9%であった。業績は、売上増に前年度からの固定費削減活動や、原価改善が加わり過去最高益を記録、今期も更新を見込んでいる。
同社のプレス製品は、CO2排出量削減に求められる軽量化に対応する、衝突安全性を保ちながら従来比約90%削減が可能な冷間プレス工法を得意としており、超ハイテン製品やアルミ製品に注力する。樹脂製品もアルミ材やGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)材など、新素材を用いた製品の加工を行う。バルブ製品では、Schrader社との相乗効果に加え、TPMS事業の拡大に向けた開発やセンシング技術、流体制御技術などの技術を活かし、EV向け、水素燃料向けの製品開発を加速する。
バルブコアは、タイヤバルブの中心となる精密部品で、自動車に不可欠の重要な製品である。同製品はタイヤ以外にも、エアコンや船舶、産業機械など幅広く活躍し、高いシェアを有する。また、タイヤ内部のモニタリングで走行中の異常を検知するTPMSでは、国内唯一の送信機メーカーである。TPMSは同社の主力製品として、20年以上生産・販売を続けており、空気圧を適正に保つことで事故防止とともに、燃費向上にも貢献、現在では欧米をはじめ世界各国で装着が法規化されている。またTPMSのコア技術を応用し、物流・食品・医薬・畜産業界など新しい領域向けの新製品開発にも注力している。同社は、新製品事業を含む3事業で、次世代モビリティ社会におけるモノづくりでの貢献を目指している。
来年をめどに、事業拡大とカーボンニュートラルを見据えたグローバルマザー工場の建設を予定しており、今後の動きに注目したい。
(戸谷 慈伸)
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