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(株)ノリタケカンパニーリミテド (2022年5月版)
2021年3月期
資本金(連結) |
15,632百万円 |
自己資本比率 |
71.6% |
従業員数(連結) |
5,033人 |
連結事業構成 |
【連結事業】工業機材47(-2)、セラミック・マテリアル31(9)、エンジニアリング17(10)、食器5(-24)【海外】40(2021.3) |
株式上場 |
|
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
4/28終値 |
22/3期(予) |
予想 |
(連)21/3 |
実績 |
22/3期(予) |
予想 |
|
|
4,130 |
588.9 |
7.0 |
7,685 |
0.54 |
140.0 |
3.39% |
5,040 |
3,915 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は2022年4月28日時点の会社予想。
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展望
- セラミックスで価値を創造
- 名古屋市西区に本社を置く同社は、1904年洋食器製造を目的に創立された。10年後「ノリタケチャイナ」の名で海外輸出を開始、世界のブランドとして発展した。その後、幅広い分野に製品と技術を提供する企業へ成長し、81年に現在の社名に改めた。同社の歩みは、現在のTOTO、日本ガイシ、日本特殊陶業の成り立ちにも関係する。同社はセラミックス技術を核に、4つの事業で食卓から基幹産業、エネルギーや先端技術産業まで、幅広く製品や技術を提供している。
同社の21年4-12月期事業別売上高構成比は、工業機材45.4%、セラミック・マテリアル32.6%、エンジニアリング17.5%、食器4.5%であった。工業機材事業は、国内最大の研削・研磨工具メーカーとして自動車、鉄鋼など基幹産業を支え、成長分野に向けたダイヤモンド工具などの開発に注力する。セラミック・マテリアル事業では、コア技術であるセラミックスの原料精製、成形、印刷技術を応用し、幅広い製品を開発。積層セラミックコンデンサ等に使用される電子ペーストや、自動車、LED照明の厚膜回路基板、表示デバイスの蛍光表示管、ジェットエンジンの部品製造に用いるセラミック中子など、高品質で特長ある製品を生み出す。エンジニアリング事業では、加熱、焼成、混合、濾過、切断の技術で、加熱装置をはじめ、化学、医療、食品分野の原料混合装置、研削研磨加工の濾過装置や銅材の切断機など、顧客の製造ソリューションを提案する。食器事業では、確かな品質とデザインで日本を代表する陶磁器メーカーとして、最高の品質と品格を備えた食器の提供をめざしている。
同社は12次中期経営計画を策定し、向こう3年間を「収益基盤の強化と成長領域への仕込み」と位置付けた。事業戦略として、工業機材ではオーダーメイドと汎用品を再編し、効率的な事業体制の構築を進める。セラミック・マテリアルでは、事業の再構築を図り、電子ペーストや積層セラミックコンデンサ用材料の製品拡張と、生産能力増強でシェア拡大と新商品開発をめざす。またエンジニアリングでは、既存分野の拡販とアフターサービスを強化し、自動車分野の電動化対応や新分野への参入で市場開拓、新用途・新商品の開発強化をめざす。
セラミックス技術で新たな価値の創造をめざす、同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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