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中部鋼鈑 (2022年4月版)
2021年3月期
資本金(連結) |
5,907百万円 |
自己資本比率 |
89.6% |
従業員数(連結) |
513人 |
連結事業構成 |
【連結事業】鉄鋼関連93(6)、レンタル2(9)、物流2(8)、エンジニアリング4(-2)(2021.3) |
株式上場 |
名証プレミア |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
3/31終値 |
22/3期(予) |
予想 |
(連)21/3 |
実績 |
22/3期(予) |
予想 |
|
|
859 |
123.1 |
7.0 |
2,254 |
0.38 |
37.0 |
4.31% |
958 |
701 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は2022年3月31日時点の会社予想。
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展望
- 100年企業を目指す
- 名古屋市に本社を置く同社は、1950年東海地区初の鋼板圧延工場として設立。58年本社を移転し電炉を増設、61年名証2部に上場後、74年1部となった。同社は、厚板生産を中心に小ロット・多品種・短納期で、被削性改良鋼板やレーザー切断用鋼板など、高品質な製品を安定的に供給する唯一の厚板専業メーカーである。
同社の2021/4-12月期における事業別売上高構成比は、鉄鋼関連94.5%、レンタル1.1%、物流1.4%、エンジニアリング3.0%であった。鉄鋼関連の主な需要先である、産業・建設機械、建築向け需要の回復を背景に、主力製品の厚板の販売数量増加と値上げが奏効し、前年比大幅な増益の見通しである。
鉄鋼製品の板状製品が「鋼板」とされ、厚み6mm以上のものが「厚板」と呼ばれる。厚板は、主に高炉メーカーが製造しており、寸法精度、構造物を維持するための強度、溶接しやすい特性、粘り強さを表す靱性など、様々な性能が求められる。同社の厚板は、産業・建設機械、土木・建築物など、様々な分野の社会インフラに用いられ、フォークリフトやパワーショベル、射出成形機など機械のフレームのほか、強度が必要な鉄道車両の台車や商業・物流施設、オフィスビルなどに使用されている。
同社の特色として、循環型社会構築に寄与する操業形態で原料の鉄スクラップの殆どを国内で調達しており、資源の有効活用に努めている。また電気炉による厚板製造は、製鋼と圧延工程が直結しているため、製造工程の省エネ化を実現、効率的に多様な製品の小ロットの受注契約に対応している。
また昨年度からの中期経営計画における基本方針の1つとして、「循環型社会への貢献(スクラップリサイクル)」を掲げている。具体的には、溶解時の排熱を利用し、従来の電力使用量 15%と騒音量10%、ダストの発生量 20%、振動等を減らす最新電気炉の導入を予定しており、来年秋にも稼働を目指している。また、㈱中山製鋼所との業務提携を推進し、相互の生産設備の有効活用をはかることで、業務委託の拡大、保全・調達・物流での相互協力の推進、グループ会社全体のネットワーク活用など、相互にメリットを享受しながら、循環型社会への貢献を目指している。
国内唯一の厚板専業メーカーとして、顧客信頼度向上をコンセプトに「100年企業」を目指す同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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