ホーム > 証券展望・キムラレポート > 過去レポート一覧 | 2022年1月版
株式会社ジェイテクト (2022年1月版)
2021年3月期
資本金(連結) |
45,591百万円 |
自己資本比率 |
42.7% |
従業員数(連結) |
47,811人 |
連結事業構成 |
【連結事業】機械器具部品90(1)、工作機械10(1)【海外】59(2021.3) |
株式上場 |
東証1部,名証1部 |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
12/30終値 |
22/3期(予) |
予想 |
(連)21/3 |
実績 |
22/3期(予) |
予想 |
|
|
1,005 |
61.2 |
16.4 |
1,606 |
0.63 |
16.0 |
1.59% |
1,270 |
777 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は2021年12月30日時点の会社予想。
PAGE TOP
展望
- No.1&Only Oneを目指す
- 同社は、刈谷市が本社のパワーステアリングをはじめとした自動車部品やベアリング、工作機械等のメーカー。1921年創業の光洋精工と41年設立の豊田工機が2006年1月に合併、約30か国に150の子会社と5万人の従業員を有するトヨタグループ主要17社の一社である。
同社の21年4-9月期事業別売上収益構成比は、自動車66.6%(ステアリング48.0%、駆動18.6%)、産機・軸受22.8%、工作機械10.5%。同期間のトヨタ向け比率は17.1%、同グループ向け比率は34.4%であった。
主力事業である自動車部品のパワーステアリングでは、1988年の生産開始以来、世界シェアNo.1を誇っており、ITCC(電子制御4WDカップリング) は、殆どの自動車メーカーの4輪駆動車に採用されている。
軸受分野では、再生可能エネルギーの普及とともに、風力発電向け軸受が注目されている。同社は、セラミックボールを使用し、内部の発熱を抑制、潤滑剤の長寿命化でより優れた耐久性を実現している。また、車両を支え、車輪に伝える複列円すいころ軸受で安定した滑らかな走りを実現、時速300㎞の新幹線の走りを支える。
工作機械・メカトロ分野では、サブミクロン(10000分の1㎜)の加工精度を誇る円筒研削盤と、熟練技能者による最終仕上げ「きさげ」で「TOYODA STAT BEARING」(金属接触がなく半永久的に高精度を保つ流体軸受)を生み出す。
同社は、新規事業にも注力する。電池などの蓄電デバイスの一種として、-40℃から85℃まで安全に電気を蓄え放出できる蓄電池、高耐熱リチウムイオンキャパシタを世界で初めて開発した。また、今後の高齢者や女性の製造現場就労の増加を見据え、ロボティクス技術や摩擦工学をベースに、パワーアシストスーツを開発している。2017年にはソフトウェア開発拠点、19年にAIなど次世代技術研究拠点を設立し、No.1&Only Oneづくりを目指す。
同社は、現在を2030年までの第一期として体質強化の時期と位置付けている。①徹底的な原価低減と、差別化による競争力強化。②既存事業で創出したキャッシュによる将来への投資。③損益分岐点80%と事業利益1,000億円を目標にした経営基盤強化。④同社の基本理念の徹底による、改善し続ける仕組みづくり、人づくりの4つに取り組んでいる。
2030年を節目として、事業の再構築でNo.1&Only Oneづくりを目指す同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
COPYRIGHT © KIMURA SECURITIES CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.