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キムラレポート (2016年11月版)
本社所在地 |
〒442-8543 愛知県豊川市本野ケ原3−22 |
設立 |
1938年3月26日 |
ホームページ |
http://www.osg.co.jp/ |
2015年11月期
資本金(連結) |
10,404百万円 |
自己資本比率 |
66.1% |
従業員数(連結) |
5,870人 |
連結事業構成 |
【連結事業】ねじ切り工具34、ミーリングカッター24、他切削工具23、転造工具9、測定工具1、他9【海外】58(2015.11) |
株式上場 |
東証1部、名証1部 |
売買単位 |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
(株) |
10/31終値 |
16/11期(予) |
予想 |
(連)15/11 |
実績 |
16/11期(予) |
予想 |
100 |
2,239 |
116.2 |
19.3 |
1,079 |
2.07 |
50.0 |
2.23% |
※1株益は16/11期予想、1株純資産は15/11期実績、1株配当金は16/11期予想、各数値は円単位。各表示未満は4捨5入。 (連)・連結決算、(予)・予想の略
1株純利益(赤字&未発表は非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表は非表示)は2016年10月31日時点の会社予想
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展望
- 航空機産業での存在感が一段と向上
- 愛知県豊川市に本社を置く精密切削工具大手。同社は主に工作機械で使用される消耗工具を製造しており、取扱い製品としては創業時からの製品のタップ(穴の内側のねじをつくる工具)では世界トップシェア(約30%)を有している。このほかドリル(穴をあける工具)、エンドミル(金属を削り出して形をつくる工具)、転造ダイス(金属棒にねじ切りして雄ねじをつくる工具)など多様な製品を展開している。2016年11月期第3四半期の地域別売上高構成比は日本44.4%、米州18.7%、欧州11.7%、アジア25.2%。
同社は世界トップの穴加工用切削工具メーカーを目指しており、世界30カ国にわたる海外ネットワークを有している。主要顧客産業は(カッコ内は使用されている主な製品)自動車(エンジン、トランスミッション、ホイールハブ)、航空機(炭素繊維強化樹脂や耐熱合金が使われている主翼などの部品)、金型(携帯電話やパソコンなどのプラスチック金型)などになっている。
今後、新興国では長期にわたり中間所得層が増加する予想であり、海外旅行に対する需要は着実に拡大していく見通しだ。このような旅客・貨物需要の増加に対応するために世界のジェット旅客機の運航機数は15年の約2万2千機が、20年後には倍増するとの予想もある。航空機業界は燃費効率改善のために機体の軽量化を推進しており、チタンや炭素繊維複合材などの採用を増やしている。しかし、これらの素材は加工がしにくい難削材であるため、高精度の加工が可能な工具が求められている。同社は同分野で先行しており、チタンや炭素繊維複合材など難削材向けの工具需要は長期間、拡大すると推察したい。
同社は英国政府、シェフィールド大学(英国)、ボーイング社などが設立した官民一体の世界最大の最先端航空機産業研究所である「AMRC」に13年9月に加入しており、15年6月にはAMRCの最上位メンバーであるTier1(約20社)に昇格している。日本の切削工具メーカーで唯一のTier1であり、航空機産業での存在感が一段と向上している。同社は中期経営計画「The Next Stage 14」において、20年11月期で売上高1,500億円(前期1,119億円)、営業利益300億円(同215億円)の中期ビジョンを掲げている。事業拡大が続く同社に注目したい。
(北川 彰男)
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