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キムラレポート (2015年8月版)
2015年3月期
資本金(単独) |
2,144百万円 |
自己資本比率 |
63.0% |
従業員数(単独) |
451人 |
連結事業構成 |
【単独事業】J形瓦25、F形瓦57、M形瓦6、商品他9、工事3(2015.3) |
株式上場 |
東証2部,名証2部 |
売買単位 |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
(株) |
7/31終値 |
16/3期(予) |
予想 |
(連)15/3 |
実績 |
16/3期(予) |
予想 |
100 |
426 |
34.8 |
12.2 |
1,404 |
0.30 |
10.0 |
2.35% |
※1株益は16/3期予想、1株純資産は15/3期実績、1株配当金は16/3期予想、各数値は円単位。各表示未満は4捨5入。 (連)・連結決算、(予)・予想の略
1株純利益(赤字&未発表は非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表は非表示)は2015年7月31日時点の会社予想
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展望
- 陶板壁材など新商品の開発を推進
- 愛知県半田市に本社を置く瓦業界のリーディングカンパニー。1994年8月に名古屋証券取引所第2部、02年4月に東京証券取引所第2部に上場している。新築住宅における屋根材の使用比率(13年)は粘土瓦(天然の粘土を原料とした焼き物の瓦)44.0%、スレート系(セメントや天然岩を原料とする薄い屋根材)26.4%、その他(金属など)29.6%と推計されている。
粘土瓦の3大産地別シェア(15年3月期)は三州瓦(愛知県)77.0%、石州瓦(島根県)14.1%、淡路瓦(兵庫県)8.9%。同社の販売シェア(同、カッコ内は05年3月期)は三州産地内シェア28.3%(20.0%)、3大産地内シェアも21.7%(14.1%)になっており、同社は粘土瓦業界首位の企業として着実にシェアを伸ばしている状況だ。
瓦業界全体は人口減による新設住宅着工戸数の長期的な減少という構造的な問題を抱えており、同社は現状を打破するために陶板壁材(とうばんかべざい)などの新商品の開発に注力している。同壁材は瓦と全く同じ材質のもので、住宅市場向けの外壁材や内壁材として使用することを目指している。同社は12年10月に汎用性に優れ、多様な製造を可能にする連続焼成炉ローラーハースキルンを取得しており、新たな生産技術の習得や新製品開発に取組んでいることから生まれた商品といえる。
粘土瓦の特徴は原料である粘土を1130度という高温で焼成することによる耐久性、焼き物特有の落ち着いた風合い、高級感のある質感による意匠性、断熱性などであり、中空形状による軽量化で施工性を高めた新商品として陶板壁材「スーパートライWallシリーズ」を今年10月より用途に応じて順次発売する予定だ。戸建て住宅市場において、屋根材より壁材のほうが約2倍の市場規模があり、新商品の今後の展開が期待される。
このほか、今年1月に光触媒工業会よりPIAJ認証を取得している。粘土瓦に光触媒機能(汚れがつきにくく汚れがとれやすい機能を持つ)を付加させることに成功しており、今後の製品化を検討している。また、今年10月に遮熱瓦クールベーシックシリーズで従来の黒・茶に加えて銀系の新色「クールグレー」を発売する予定だ。陶板壁材など新商品の開発を推進する同社の技術力に注目したい。
(北川 彰男)
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