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カゴメ (2024年5月版)
2023年12月期
資本金(連結) |
19,985百万円 |
自己資本比率 |
49.79% |
従業員数(連結) |
2,921人 |
連結事業構成 |
【連結事業】国内・加工食品63(7)、同・農4(1)、同・他1(-4)、国際31(13)【海外】27(2023.12) |
株式上場 |
東証プライム,名証プレミア |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
4/30終値 |
24/12期(予) |
予想 |
(連)23/12 |
実績 |
24/12期(予) |
予想 |
|
|
4,032 |
243.8 |
16.5 |
1,536 |
2.63 |
52.0 |
1.29% |
4,297 |
3,105 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2024年4月30日時点の会社予想
※カゴメは12月期決算、予想1株益・配当金は24/12期、1株純資産は23/12期。
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展望
- トマトの会社から、野菜の会社へ
- 名古屋市が本社の同社は、創業125年を迎えるトマト加工品の国内最大手である。1899年、国内では馴染みの無かったトマトの栽培と加工で創業。1903年にトマトソース(現在のトマトピューレ)に着手し、5年後ケチャップ、ウスターソースの製造を開始した。カゴメ印の商標で全国展開し、63年「カゴメ株式会社」と改称後も売り上げを順調に伸ばし、78年東証・名証1部に上場した。2023年末現在、トマトケチャップ、トマトジュース、野菜果実ジュースの国内シェアトップを誇る。
2023年12月期事業別売上収益構成比(調整額除く)は、国内加工食品(飲料33.6%、通販5.8%、食品他23.8%)、国内農4.5%、国際事業37.9%、その他1.1%であった。主力の加工食品は、野菜生活100シリーズ、トマトジュース、野菜一日これ一本など。通販は、野菜飲料、サプリメント、スープなど。食品他は、トマトケチャップ、トマト調味料、ソース、贈答品などを取り扱う。国内農は、生鮮トマト、ベビーリーフや加工品の生産・販売。国際は、種子・生産、商品開発、加工・販売を行う。
前期は、原材料の上昇を受けた野菜飲料やトマト調味料などの価格改定とともに、食品や業務用販売の回復で増収となった。国際事業も、トマトペーストの販売価格上昇や、フードサービス企業向けが好調で増収増益を記録した。今期は、一段の国内の回復と海外の成長を目標に、国内の機動的な販売価格の見直しや商品の高付加価値化と海外グループの連携強化を図る。
具体的には、トマトジュースの好調を受けた人参への展開拡大や、甘さや糖質を抑えた新商品による需要喚起と野菜スープや植物性素材の領域や収益体質の強化をあげる。国際事業では、過去最大の投資である米国トマト一次加工品会社で、生産能力第2位のIngomar社を連結子会社化し、カンパニー化によるグループの連携強化を図る。同時に、米欧のグローバルフードサービス企業と戦略を合わせて、現地の有力企業の開拓を行う。そして、インドの企業向け事業拡大も目指す。
同社は「食を通じて社会課題解決に取り組み、持続的に成長できる企業」を目指している。25年には事業領域をトマトから野菜に拡大、価値ある野菜を多様な加工や形態で提供し、摂取不足の解消と健康寿命延伸への貢献を考えている。
将来に向けて、野菜の会社への変貌を目指す、同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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