ホーム > 証券展望・キムラレポート > 過去レポート一覧 | 2022年6月版
アイカ工業 (2022年6月版)
2022年3月期
資本金(連結) |
9,891百万円 |
自己資本比率 |
60.4% |
従業員数(連結) |
4,970人 |
連結事業構成 |
【連結事業】化成品52(8)、建装建材48(16)【海外】43(2021.3) |
株式上場 |
|
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
5/31終値 |
23/3期(予) |
予想 |
(連)22/3 |
実績 |
23/3期(予) |
予想 |
|
|
2,794 |
208.0 |
13.4 |
2,224 |
1.26 |
109.0 |
3.90% |
3,395 |
2,775 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は2022年5月31日時点の会社予想。
PAGE TOP
展望
- メラミン化粧板国内シェアトップ
- 名古屋市内に本社を置く同社は、1936年愛知時計電機の化学部門が独立、愛知化学工業として設立された。39年同社の起源ともいえる樹脂接着剤を発売、60年にメラミン化粧板を発売以降は着実に業績を伸ばし、50周年となる86年に東証および名証一部へ上場した。90年代には不燃壁材市場に参入、2012年海外メーカーの株式取得を契機にM&Aおよびグローバル化を推進し、海外売上高比率は49.2%にのぼる。同社は、メラミン化粧板の国内シェア、トップメーカーである。
同社の化成品事業は、日本初のユリア樹脂接着剤を開発して以来、培われた化学合成技術をベースにした商品開発に取り組んでいる。2000年代以降、新規事業として機能材料製品の拡充にも注力、木材加工、建築・土木、自動車、電子材料、工業製品、日用品など各方面の製品開発を行っている。建装建材事業では、化学合成技術を活かしたメラミン化粧板で国内シェアNo.1を誇り、機能性や意匠性の差別化を図りながら、オフィス、商業、教育、医療・福祉、ホテル・宿泊、交通などの多様な施設や、住宅分野向けに商品を提供している。
同社の22年3月期事業別売上高構成比(調整額除く)は、化成品57.0%(接着剤36.6%、建設樹脂4.3%、機能材料10.1%、その他6.0%)、建装建材43.0%(メラニン化粧板13.5%、ボードフィルム等5.3%、セラール9.8%、不燃建材3.7%、カウンターポストフォーム8.5%、建具インテリア建材2.2%)であった。同期は、化成品部門の国内産業用フェノール樹脂と中国、タイ、インドネシア、ベトナムのアジア地域を中心とした海外販売量が伸長し、売上高、経常利益とも過去最高を更新した。
同社は、24年3月期を最終年度とした、中期経営計画「Change & Grow 2400」に取り組んでいる。基本方針として、①成長事業の創出・拡大、②利益基盤の強化、③経営基盤の強化を掲げ、グループの強みである化学とデザイン力を活かした、独創性のある商品作りで変化への対応強化を目指す。また、国内建設市場の動向に左右されにくい経営体質づくりとして、海外における事業展開を推進し、M&Aによるグループでのシナジー効果の創出も目指す。
今後も積極的な設備投資や、M&Aを活用しながら国内外の生産・販売拠点の拡充を図る、同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
COPYRIGHT © KIMURA SECURITIES CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.