厳しい経済環境ではじまった21世紀、皆様におかれましては資産運用に対するご関心を日増しにお感じのことと存じます。証券業を営んで120年の木村証券では、今こそ株式投資の重要性を皆様にお伝えしなくてはならないと考えております。一言に株式と申しましても、国内上場・公開企業だけでも3000社以上あり、玉石混淆のなかから見付け出すことは容易なことではございません。
「良い株式を良い顧客に持っていただきたい」という弊社の願いを込め、「三英傑シリーズ」と郷土が生んだ英雄にちなんで株式を幅広く皆様にご提供できればと存じる次第です。
三英傑の名を借りて銘柄選択の切り口を三つに分け、投資スタンスが少しでもわかりやすくなればと考えました。
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株式投資にはタイミングが重視されます。株式相場の状況や今後の展開をふまえ、需要やテクニカルを重視しながら機会を捉えた時に原則的に選びます。
時空を超えて夢とロマンに馳せたアグレッシブ(攻撃的)な信長にちなみました。 -
投資対象を企業の成長力と位置づけ、収益価値の集約EPS(=一株当たり利益)を基準として、原則的に当数値が今後増大すると予想されるものから選びます。 日吉村の農家から太閤になった成長性にちなみました。
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投資対象を本質価値に位置づけ、市場時勢によって過小評価されているものを本質価値の集約BPS(=一株当たり純資産)を基準として、原則的に当数値がPBR平均以下のものから選びます。徳川300年の基礎を築いた着実な安定性にちなみました。
「三英傑シリーズ」2025年1月版
信長コース | 注目ポイント |
(1860) 戸田建設 | ゼネコン準大手。病院や学校など公共施設に特色。建築分野に実績。24/4-9月期部門別売上高構成比(調整額除く)建築62.0%、土木20.8%、国内投資開発1.1%、国内グループ会社8.5%、海外グループ会社7.5%、環境・エネルギー0.1%。建築土木とも受注残豊富。超高層複合本社ビル開業。新興企業と提携し村田製の建設現場など⼤型蓄電池活用の取組みを開始。 |
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(2222) 寿スピリッツ | 菓子製造販売。北海道「ルタオ」など地域ブランド菓子展開。24/4-9月期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)シュクレイ35.9%、ケイシイシイ25.5%、寿製菓・但馬寿19.9%、販売子会社9.7%、九十九島グループ9.0%。主力シュクレイはインバウンド好調。ケイシイシイは小樽発ブランドが首都圏に浸透中。新規出店推進、静岡県内に新工場設置し順次生産開始。 |
(6857) (株)アドバンテスト | 半導体検査装置世界大手。DRAM向けは首位。製造工程の多くを外部に委託する経営形態。24/4-9月期事業別売上高構成比(消去又は全社除く)半導体・部品テストシステム74.9%、メカトロニクス関連9.6%、サービス他15.5%。高性能DRAM「HBM」テスター好調。ロジック向けもAI半導体需要が急増。パワー半導体向け新テスト・セル・ソリューション発表。 |
(8086) ニプロ | 使い捨て医療器具大手。人工透析器強い。24/4-9月期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)医療関連70.4%、医薬関連19.6%、ファーマパッケージング10.0%。後発医薬品と受託を強化、育成中。医療機器の出荷制限解除や、受託医薬品が伸長。新たに後発薬の製造販売承認を取得。国内後発薬初の糖尿病治療薬承認。厚生省が安定供給される後発薬を優遇の予定。 |
(9934) 因幡電機産業 | 電設資材大手。電線・配線機器やFA機器、空調配管の独立系商社。24/4-9月期事業別売上高構成比(調整額除く)電設資材65.2%、産業機器10.0%、自社製品24.8%。銅価格の上昇が売上寄与。西日本エリアで再開発事業や製造業設備更新向けに納入。自社製品の空調と産業部門が増加。計画達成に自社製品開発・拡充、首都圏シェア拡大、グローバル展開などを掲げる。 |
秀吉コース | 注目ポイント |
(3099) (株)三越伊勢丹 ホールディングス | 国内百貨店首位。旗艦店は新宿伊勢丹、日本橋三越など。24/4-9月期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)百貨店88.1%、クレジット・金融・友の会6.6%、不動産5.3%。都心部店舗好調。訪日客がコロナ前を超え過去最高に。中国人ビザ発給も緩和へ。全社に占める百貨店従業員割合を現在の約7割から縮小。人的資本を不動産や金融などの成長事業に振り分けへ。 |
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(3407) 旭化成 | 総合化学。住宅、化学品、医療、繊維、建材など多角化。24/4-9月期部門別売上高構成比(その他消去又は全社除く)マテリアル46.2%、住宅34.0%、ヘルスケア19.8%。自動車内装材は価格改善と為替で増益。ヘルスケアはAEDとライフベストが好調。カナダでホンダとEV向け電池セパレーター工場に共同で出資。27年稼働予定でセパレーター売上目標を約5倍に。 |
(5333) 日本ガイシ | ガイシ世界一。DPFや半導体関連が柱。24/4-9月期事業別売上高構成(調整額除く)エンバイロメント64.4%、デジタルソサエティ26.5%、エネルギー&インダストリー9.1%。同地域別構成比、日本21.3%、北米21.9%、欧州23.3%、アジア31.7%、その他1.8%。半導体製造装置用部品「ハイセラムキャリア」の売上目標引き上げ。NAS電池は大型モデルチェンジ。 |
(5706) 三井金属 | 非鉄大手。電子材料主力。自動車用部品にも注力。亜鉛製錬に特色。24/4-9月期事業別売上高構成比(調整額除く)機能材料20.6%、金属37.0%、モビリティ26.8%、その他15.6%。インド向けの排ガス浄化触媒が好調。生成AI向け高付加価値電解銅箔も増加。リチウム電池材料で課題だったマンガン系正極材開発に成功、事業化へ。がん治療薬開発ベンチャーに出資。 |
(6988) 日東電工 | 液晶部材から核酸医薬原薬まで多角展開する総合材料メーカー。24/4-9月期事業別売上収益構成比(その他、調整額除く)インダストリアルテープ33.7%、オプトロニクス54.0%、ヒューマンライフ12.3%。同期地域別構成比、日本19.7%、米州8.5%、欧州8.6%、アジアオセアニア63.2%。データセンター向けHDD部品が好調。高級スマホ向け高精度基板も順調。 |
家康コース | 注目ポイント |
(2768) 双 日 | 総合商社。24/4-9月期事業別収益構成(その他、調整額除く)自動車17.9%、航空・社会インフラ2.4%、エネルギー・ヘルスケア6.7%、金属・資源・リサイクル20.4%、化学24.4%、生活産業・アグリビジネス11.5%、リテール・コンシューマーサービス16.7%。社会インフラや化学が好調。エネルギー・ヘルスケアも伸長。長崎でマグロのAI養殖に参入し水産事業強化。 |
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(5019) 出光興産 | 石油元売り大手。昭和シェルと経営統合。石油化学や有機ELも。24/4-9月期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)燃料油82.8%、基礎化学品6.9%、高機能材5.8%、電力・再生可能エネルギー1.5%、資源3.0%。国内燃料油の利ザヤが改善方向。価格改善で高機能材に注力。農薬のアグロカネショウを完全子会社化。米クリーンアンモニア事業に三菱商と参画へ。 |
(5711) 三菱マテリアル | 非鉄総合大手。銅加工、電子材料、アルミや超硬工具など多方面。24/4-9月期事業別売上高構成比(調整額除く)金属63.9%、高機能製品22.8%、加工6.5%、再生可能エネルギー0.4%、その他6.4%。金属は銅・金の価格上昇と製錬所の操業が安定し増収。使用済みリチウムイオン電池からのレアメタル回収を事業化。再生可能エネルギーは地熱と風力発電開発に集中。 |
(5938) (株)LIXIL | 建材・住設機器最大手。トステム、INAX等統合。24/4-9月期事業別売上収益構成比(調整額除く)ウォーターテクノロジー(水回り、タイル建材)61.1%、ハウジングテクノロジー(金属・木質内装建材、住宅・サービス、その他)38.9%。中東地域好調で開拓注力。米国の不採算整理やアジア工場統廃合など構造改革へ。アレクサを利用した集合住宅向けサービスを開発。 |
(7182) (株)ゆうちょ銀行 | 郵政グループ一角。預貯金額国内最大。営業は郵便局。国内外で資産運用(24/9末235兆5,879億円)。同資産運用構成比、国債19.0%、地方・社債6.7%、外国証券36.8%、金銭信託2.5%、貸出金1.7%、預け金27.6%、短期運用資産・その他5.2%。外国証券やプライベートエクイティ(PE=未公開株)部門が好調。日銀の政策転換も追い風。26/3期純利益4,000億の見通し。 |