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浜松ホトニクス (2019年8月版)
2019年3月期
資本金(連結) |
34,928百万円 |
自己資本比率 |
78.8% |
従業員数(連結) |
4,897人 |
連結事業構成 |
【連結事業】電子管39(34)、光半導体46(32)、画像計測機器12(21)、他3(1)【海外】71(2018.9) |
株式上場 |
東証1部 |
売買単位 |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
(株) |
7/31終値 |
19/9期(予) |
予想 |
(連)18/9 |
実績 |
19/9期(予) |
予想 |
100 |
4,065 |
130.5 |
31.2 |
1,249 |
3.25 |
40.0 |
0.98% |
※1株純利益(予想)・1株純資産(実績)・1株配当金(予想)の各数値は円単位。各表示未満は4捨5入。 (連)・連結決算、(予)・予想の略
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展望
- 未知未踏分野での技術開発に取組む
- 静岡県浜松市に本社を置く同社は、1953年「浜松テレビ」の社名で創業。光を電気信号に変換して検出する光電管製造を開始し、83年、現在の「浜松ホトニクス」に社名変更。「光」の研究とその成果を生かす製品開発で、新たな産業の育成を目指すイノベーション型企業である。
創業当時からの代表製品である高感度光センサ「光電子増倍管」は長年に亘る進化で、現在では約90%の世界的シェアを誇る。同社の光電子増倍管が設置されたカミオカンデでの研究により小柴教授、梶田教授がノーベル物理学賞を受賞。奇跡の帰還で世界から注目を集めた小惑星探査機「はやぶさ」や現在の「はやぶさ2」にも同社開発のイメージセンサが採用されている。
19年上半期(18年10月~19年3月)の地域別売上高構成比は、国内29.1%、北米24.3%、欧州23.5%、アジア・中国22.7%、その他0.4%。同期事業別売上高構成比(その他・調整額除く)電子管40.9%、光半導体46.4%、画像計測機12.7%であった。
電子管事業では増倍管が油田探査や、血液分析等検体検査向けの売上が順調で、非破壊検査用マイクロフォーカスX線源、シリコンウェハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジンや、重水素ランプ等も堅調に推移した。半導体素子は全般に伸び悩んだものの、画像処理・計測装置はデジタルカメラ、半導体解析装置、X線ラインセンサカメラが売り上げを伸ばした。
基礎研究分野では、チェレンコフ輻射体と呼ばれる特殊な結晶体を用い、放射線をチェレンコフ光に変換し従来の5倍の感度をもつ、PET装置向け検出器を開発した。開発分野では、農作物や食品の安全性を様々な場所で確認する用途に応え、高感度で小型・軽量、低価格な最小サイズの分光器を開発、また名古屋大学と共同で、同社製品の約1,000倍の高輝度のスーパーコンティニューム光源も開発した。また、光半導体事業の生産能力強化のため、20年稼働予定で市内新貝工場に新棟建設中である。
「光」の未知未踏分野での技術開発に取組む同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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